今度、福島で選抜の合宿が開催される。
その合宿に東京選抜も参加となり、もれなく私の帯同も決まった。

















全国の選抜チームが集まって、強化合宿を行う。
たったそれだけしか聞かされていないが、きっとその選抜にはいとこ圭ちゃんも参加するであろう。
彼の実力はよく知っているが、きっとこの合宿でも見せつけられるのだろう。
「……電話でもしよっかなぁ。」
そういえば久しく連絡もとっていなかったし、たまには声でも聞いてやろう。
携帯を手に取り、電話帳から彼の番号を引き出す。
『もしもし?』
「あ、圭ちゃん?久し振りー。」
が電話とか珍しいじゃん。どうしたんだよ?』
「私さ、東京選抜のマネージャーをやってるんだけど、今度福島でやる合宿に圭ちゃんも行くのかなーと思って。」
『お前がマネージャーやってんの?マジうけるんだけど。雑用できるタイプじゃないじゃん。』
「うわぁ……、失礼すぎるんですけど。私だってやればできる子なんですよー。」
『じゃあ合宿中、お前の偵察に東京選抜を見に行くわ。張り切って転ぶんじゃないぞ。』
「圭ちゃんってそんな失礼な人だったっけ?いいよー、むしろそっちに差し入れ持って行ってあげるよ。ドロドロに溶けた白い恋人とか。」
『溶けたやつを用意できるくらいなら、ちゃんとしたやつくれ。って、東京選抜って言った?もう東京に戻ってきたんだ。』
「つい最近戻ったのよ。そういえばこの前スガさんに会ったよ。相変わらずデカかった。」
『190あるからなぁ。少し身長分けてもらえばいいじゃん。スガも参加するぞ、この合宿。』
「圭ちゃんの方が身長必要なんじゃないの?私、これ以上伸びるとウチのキャプテンを見下ろす形になっちゃうから。」
『それってめっちゃ小さいじゃん。ウチって東京選抜のキャプテンがチビッ子なの?』
「あー、今の発言を翼さんに聞かせてやりたい。圭ちゃんはもう立ち直れないくらいズダズダのボロボロにされちゃうよ。ちなみにウチってゆうのは学校のチームのキャプテンだけど、選抜にも選ばれてるから会えるよ。」
『なんか面白そうだな、東京選抜。』
「ぜひ遊びにおいでよ。待ってるから、お土産。うなぎパイでいいからね。」
『何ちゃっかりお土産請求してるんだよ。じゃあお前は白い恋人を準備しておけよ。』
「えー、そこは東京バナナとか言ってよー。白い恋人は北海道選抜の人に頼みなさいよ。」
『いいじゃん。東京バナナより白い恋人が食べたい。』
「私じゃ無理だなぁ。なんか適当に甘いものを差し入れてあげるよ。圭ちゃんの身長が伸びるようにカルシウムがたくさん入ってるやつを選んできてあげる。」
『……お前は俺が小さいって言いたいんだな。』
「ちがうよー。スガさんに少しでも近付けるようにって私の優しさだよ。」
『すげーおせっかい。そんなことしなくても、俺は成長期の伸び盛りだから心配いらないし。』
「そんな気遣いしないで、頼んでくれれば可愛いのにー。」
『前に会ったときと比べても伸びてるんですけど。』
「あ、もうそろそろご飯だ!じゃあ圭ちゃん、またね。」
『相変わらず勝手だな。じゃあな……ってもう切ってるし。』




(こいつの身勝手さはいつになったら治るんだ。)
(振り回されるこっちの身にもなれ。)



たまにはこんなグダグダも。笑